10代という時代は、人生の中でも特に多くの変化とプレッシャーに満ちています。高校や大学への受験戦争、友人関係の複雑さ、部活動でのレギュラー争い、そして将来への漠然とした不安。これらの様々なストレスが、知らず知らずのうちに心だけでなく、体、そして髪の毛にまで深刻な影響を及ぼしていることをご存知でしょうか。ストレスと抜け毛には、実は非常に密接な科学的関係があるのです。人間が強いストレスを感じると、体はそれに対抗するために交感神経を優位に働かせます。交感神経が活発になると、全身の血管が収縮し、筋肉は緊張状態になります。これは、いわば体が「戦闘モード」に入るようなものです。この血管の収縮は、頭皮にある毛細血管にも及びます。毛細血管は、髪の毛を作り出す毛母細胞に酸素や栄養を送り届ける、いわばライフラインです。そのライフラインがストレスによって細くなってしまうと、毛母細胞は深刻な栄養不足に陥り、正常な細胞分裂を行うことができなくなります。その結果、新しく生えてくる髪は細く弱々しくなり、まだ成長途中であるにもかかわらず、簡単に抜け落ちてしまうのです。これが、ストレスによる抜け毛の主なメカニズムです。さらに、ストレスはホルモンバランスの乱れも引き起こします。ホルモンバランスが崩れると、皮脂の分泌が過剰になり、頭皮の毛穴が詰まりやすくなります。毛穴が詰まると、炎症やかゆみを引き起こし、頭皮環境が悪化して、これもまた抜け毛を助長する原因となります。特に、真面目で責任感が強く、何事も完璧にこなそうとするタイプの人は、知らず知らずのうちに多くのストレスを溜め込みがちです。では、どうすれば良いのでしょうか。まずは、自分がいまストレスを感じているという事実を認識し、受け入れることが第一歩です。そして、意識的にリラックスする時間を作ることが重要です。好きな音楽を聴く、湯船にゆっくり浸かる、軽い運動で汗を流す、気の置けない友人と他愛もない話をする。どんな些細なことでも構いません。自分が心から「楽しい」「落ち着く」と感じられる時間を持つことが、緊張した交感神経を鎮め、心と体のバランスを取り戻すために不可欠なのです。心の健康を保つことは、巡り巡って、あなたの髪の健康を守ることに直結しているのです。