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髪がすべてじゃないと思えるようになるまで
髪の毛一本一本に、一喜一憂する毎日。鏡を見るたびにため息をつき、他人の視線に怯え、自分の価値のすべてが、この頭髪の状態で決まってしまうかのような錯覚に陥る。10代という多感な時期に薄毛の悩みを抱えると、その悩みはいつしか心全体を支配し、自己肯定感を根こそぎ奪っていってしまうことがあります。好きなことにも集中できず、友人と話していても心から笑えない。そんな苦しい状況にいるあなたに伝えたいのは、あなたの魅力は、決して髪の毛だけで決まるものではないということです。もちろん、これは気休めや綺麗事ではありません。髪の悩みを乗り越え、自分らしく輝くための、とても大切な考え方なのです。少し周りを見渡してみてください。あなたの周りには、様々な魅力を持った人がいるはずです。勉強がずば抜けてできる人、スポーツで目覚ましい活躍をする人、絵を描くのが得意な人、誰にでも優しく接することができる人、面白い話でいつもみんなを笑わせる人。彼らの魅力は、髪型や髪の量によるものでしょうか。おそらく違うはずです。その人の持つ知識や技術、努力、そして何よりその人自身の内面から滲み出る人柄が、その人を輝かせているのです。あなたにも、必ずそんな素敵な部分があります。今は髪の悩みに心が覆われて見えなくなっているかもしれませんが、あなたにしかできないこと、あなただけの長所が必ず存在するのです。まずは、何か一つでいい、夢中になれるものを見つけてみてください。それは勉強でも、部活でも、趣味でも、何でも構いません。一つのことに打ち込み、努力し、小さな成功体験を積み重ねていくことは、揺るぎない自信を育ててくれます。その自信は、外見のコンプレックスを乗り越えるための強力な武器となるでしょう。また、「他人は自分が思うほど自分のことを見ていない」という事実を知ることも大切です。あなたが一日中気にしている頭のことも、周りの友人はほんの一瞬しか見ていないかもしれません。むしろ、あなたが気にしすぎるあまり、暗い表情でいることの方が、周りにはずっと大きな印象を与えている可能性すらあります。髪のためにできる対策は、冷静に、そして淡々と続けましょう。でも、それと同時に、あなたの内面を磨き、他の魅力を見つけ、育てる努力を忘れないでください。髪がすべてではない。
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若くして始まるAGAという脱毛症について
「ハゲはオジサンだけの悩み」そう思っている10代は多いかもしれません。しかし、現実は異なります。10代後半から20代前半という若さで発症する「若年性男性型脱毛症」、通称AGAは、決して他人事ではないのです。この脱毛症について正しい知識を持つことは、いたずらに不安になるのを防ぎ、もしもの時に適切な行動を取るために非常に重要です。AGAは、他の脱毛症とは異なり、明確な原因と進行パターンを持つのが特徴です。その最大の原因は、遺伝的な要因と男性ホルモンの影響です。少し専門的な話になりますが、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、頭皮に存在する5αリダクターゼという酵素と結びつくことで、ジヒドロテストステロン(DHT)という強力な脱毛ホルモンに変換されます。このDHTが、髪の毛の成長を司る毛乳頭細胞の受容体と結合すると、「髪の成長を止めろ」という命令が出されてしまいます。これにより、髪の成長期が極端に短くなり、髪が太く長く育つ前に抜け落ちてしまうのです。このDHTに対する感受性の高さ、つまりDHTの影響を受けやすい体質が、親から子へと遺伝する傾向があります。そのため、父方、母方を問わず、親族に薄毛の人がいる場合は、自分もAGAを発症する可能性が比較的高いと考えることができます。AGAのもう一つの特徴は、その進行パターンです。多くの場合、額の生え際が両サイドから後退していくM字型か、頭のてっぺん、いわゆる頭頂部から薄くなっていくO字型、あるいはその両方が同時に進行する複合型といった、特定の部位から薄毛が始まります。側頭部や後頭部の髪は比較的影響を受けにくいため、全体の髪が均一に抜けるのではなく、特徴的な薄毛の形になっていくのです。もし、自分の抜け毛のパターンがこれらに当てはまるかもしれないと感じたら、それはストレスや生活習慣の乱れによる一時的な脱毛ではなく、AGAが始まっているサインかもしれません。AGAは進行性の脱毛症であり、残念ながら自然に治ることはありません。しかし、早期に専門のクリニックなどで適切な治療を開始すれば、その進行を大幅に遅らせたり、改善させたりすることが可能です。不安な兆候を感じたら、できるだけ早く専門医に相談することが、将来の髪を守るための最善の策と言えるでしょう。